ビーガン対応、山の幸で冷凍「田舎ずし」 豪華に仕上げて海外進出へ
鈴木芳美
タケノコやシイタケなど山の幸をネタに使った高知県の郷土料理「田舎ずし」の海外進出を進めている。香美市内にスーパーを3店舗展開する土佐山田ショッピングセンター(SC)。10月にシンガポールで開かれた見本市に冷凍品を初めて出品すると、現地の人から「ユズの香りの寿司(すし)を初めて食べた」と好評を博したという。
田舎ずしは素朴な味わいだが、家庭で作るにはひと手間かかる。県内のスーパーや農産物直売所には並ぶが、他県での知名度は高くない。なぜ、海外進出することになったのか。
土佐山田SCが運営するスーパー「バリュー」で、かねて人気商品だった田舎ずしが2018年、全国規模の「お弁当・お総菜大賞」のスーパーマーケット寿司部門で最優秀賞を獲得した。
この年、県は田舎ずしをPRしようと、地元の料理関係者や酒造会社長らと「土佐寿司を盛り上げる会」を立ち上げた。そこで県産品フェアなどで販売できるようにするため、土佐山田SCに「冷凍にできないか」と声がかかった。
食材の細胞を壊さない特殊な…