阿炎、初優勝 親方が「あいつもお相撲さんになったか」と認めた先に

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加藤秀彬 内田快
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 阿炎が逆転で初優勝を果たした。本割で2敗で首位の高安を破って、12勝3敗の相星に。結びで3敗を守った大関貴景勝を含めた3人による優勝決定巴(ともえ)戦を制した。

 誰が勝っても今年6場所の優勝者が変わる異例の場所を制したのは、阿炎だった。「まだうそのような感じ。すごく高ぶっています」

 名古屋場所後にひじと足首を手術し、秋場所を休場した。小結だった番付も前頭9枚目まで落ちた。「リハビリ」と位置づけていた今場所。勝てば決定戦に持ち込める高安との本割でスイッチが入った。

 立ち合いから、長い腕で突き押しを繰り出した。一度は押し込まれるも、軽い身のこなしで回り込んで再び攻勢に。最後は力強いのど輪で突き倒した。

 これで勢いがついた。巴戦の1回目で再び高安と対戦。今度は、立ち合いで冷静に相手を見てはたき込んだ。次の貴景勝には迷わずぶつかって突き飛ばし、初の賜杯(しはい)を手に入れた。

 2020年7月、日本相撲協会新型コロナウイルス感染予防ガイドライン違反が発覚した。出場停止3場所の処分を受け、相撲への姿勢を見つめ直した。全く見なかった動画を研究するようになり、頭の中で対戦相手と組み合ってイメージした。高安との本割も「前に出て勝った。思い通りだった」。

 以前のような奔放な言動は影を潜めるが、いつか優勝する夢は心に秘めていた。「自分を押し殺して1番に集中することが大事」と精神面も見つめ直してきた。無欲の挑戦が、1年を締める場所で大成した。加藤秀彬

奔放すぎる発言、処分された過去も

 阿炎は言い放った。「あー優勝してーなー」。2019年6月に名古屋市内で開かれた新三役会見のことだ。隣にいた錣山親方(元関脇寺尾)にたしなめられて、「自分も優勝したいです」と言い直した。当時は朝、寝坊をして、親方に起こされることもあった。

 期待の若手力士として無邪気…

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