赤ちゃんポストに預けられた大学生 養父と語る「ゆりかごへの感謝」
白石昌幸
親が育てられない子を匿名で預かる慈恵病院(熊本市、蓮田健院長)の「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)に預けられた、熊本県立大生の宮津航一さん(19)が27日、大分市の大分県消費生活・男女共同参画プラザ「アイネス」でトークセッションを開いた。参加した市民らは、様々な生き方や多様性を認め合う社会の実現に向けて意見を交わしていた。
宮津さんは3歳の時、慈恵病院のゆりかごに1人目として預けられ、熊本市の里親家庭で育てられた。2021年には普通養子縁組が成立したという。ゆりかご開設15年を迎えた今春、その経験を語り始めた。
この日のトークセッションは「こうのとりのゆりかごが運んだ幸せの中で」と題して、養父の美光さん(65)とともに登壇した。
美光さんは、宮津家に来た当…
- 【視点】
こうのとりのゆりかごが、熊本市の慈恵病院に開設されてから15年が経過している。当時、行政でもこの施設を認めるべきかどうかかなり議論があったと聞いている。匿名で預けられることから、救われる命がある一方で、安易な育児放棄につながらないか、こど