カナダ政府は27日、インド太平洋戦略を発表した。中国の影響力の増大を強く意識し、「国際秩序を混乱させている」と位置づけたうえで、「カナダは常に、遠慮なく国益を守る」と牽制(けんせい)した。また、カナダの安全保障や経済成長は、インド太平洋地域との関係によって決まるとし、5年で約23億カナダドル(約2400億円)を新たに投資することなどを盛り込んだ。
バンクーバーで記者会見して戦略を発表したジョリー外相は「長らくなかった、外交政策の転換だ」と説明。「この地域でカナダの存在感を上げなければならない」と述べた。
戦略は中国について「自国の成長を可能にした国際的なルールを、次第に無視している」と表現。「威圧的な外交や、市場から離れた交易慣行」でカナダも影響を受けているとした。そのうえで「威圧的な行動を取ったり、人権の義務を無視したり、我々やパートナーの安全保障を損なったりする場合などは中国に挑む」と述べた。
こうした目標の実現のため…