柿農家の嘆き聞いた飲食店主、ボランティア募る 被災の「恩送り」

渡辺純子
[PR]

 柿の産地として知られる福岡県朝倉市の杷木地区で収穫を手伝ってくれる人を、飲食店を営む男性が探している。九州北部豪雨からの復旧でボランティアから受けた恩を、別の形で地域に返したいという。

 男性は寒水(そうず)地区の区長で、洋食店「満吉」の満生直樹さん(61)。2017年の九州北部豪雨で、寒水は壊滅的な被害を受けた。店も流木が突き刺さるなどしたが、地域に駆けつけた延べ約7千人のボランティアが泥出しをしてくれた。

 今秋、やっと自宅再建などが落ち着いて「直接恩返しをできなくても、地域の役に立つことで『恩送り』をしたい」と考えたとき、農家の嘆きが耳に入った。

 柿農家は通常、熟れ具合を見極めて一つずつ収穫するが、JAの集荷期限が近づくと全部ちぎる。この「総ちぎり」は単純だが大変で、高齢農家が栽培をやめる要因にもなるという。

 満生さんは「人手を集めて地域の農業を守りたい」と、幼なじみの柿農家井上暁さん(61)らと協力。周辺農家の総ちぎりを手伝うボランティアの募集と派遣を26日から始めた。

 井上さんは「収穫が間に合わないと鳥のエサになってしまう。手伝いの人がいると活気が出て、気持ちの面でも全然違う」と喜ぶ。人がたくさん集まりそうなら、さらに多くの農家に声をかけていく予定だ。

 26日は記者もボランティアをした。紅葉した柿畑に入り、実を見つけては一つずつハサミで丁寧に切り取り、かごに入れていく。上を向く時間が長いので首が少し疲れたが、普段と違う仕事は新鮮で、ストレス発散になった。一緒に作業した久留米大の男子学生(22)は「柿の量がすごくて思ったより大変だったけど、やりがいがあって楽しかった」と話した。

 店に午前9時集合、午後3時解散。昼食と柿のお土産付き。長靴と軍手持参。保険は各自加入。終了後は原鶴温泉の「やぐるま荘」に特別価格で入浴できる。12月10日ごろまで。詳しい問い合わせや申し込みは満吉(0946・62・3218、木曜定休)へ。(渡辺純子)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

【期間中何度でも15%OFF】朝日新聞モールクーポンプレゼント