第1回恋人を守って死んだ友 人影が消えた梨泰院、それでも店を続ける理由

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ソウル=河野光汰 清水大輔
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 「ハミルトンホテルの方で死亡事故があったみたいだよ」

 10月29日の夜、ソウル・梨泰院(イテウォン)でバー「Ugly Society」を営むユン・テウンさん(33)は客からそんな話を聞き、店から約200メートルのところにあるホテルに向かった。

 街にはハロウィーンを楽しもうと、大勢の人たちが繰り出していた。コロナ禍で人が集まることが制限されてきたため、梨泰院のハロウィーンに人が集まるのは3年ぶりのことだった。

 「梨泰院路(イテウォンロ)」と呼ばれる大通りでは、衝撃的な光景が広がっていた。救急車両で埋め尽くされ、歩道から群衆が見守るなか、道の真ん中で倒れている仮装した若者に救急隊員が心臓マッサージを施していた。

 「50人心肺停止……」。事故直後に報じられたニュースと騒然とする現場に、「とにかく信じられず、大きな衝撃を受けた」と振り返る。見たことのない街の様子にぼうぜんとするしかなかった。

 ホテルに隣接する梨泰院の狭い路地で起きた雑踏事故で、日本人2人を含む158人が死亡し、負傷者は196人に上った。

 事故の翌日、友人の1人が亡くなったことを共通の知人から知らされた。

【連載】梨泰院 この街で

韓国・ソウルの繁華街「梨泰院(イテウォン)」で10月29日夜、ハロウィーンを楽しむために集まった人たちが狭い路地に密集し、雑踏事故で150人以上が犠牲になりました。あれから1カ月。事故に向き合う人たちに思いを聞きました。

 25歳のころ、当時ユンさん…

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