スペイン、「FW人材不足」に明るい材料 モラタが2試合連続ゴール
(27日 1次リーグE組 スペイン1―1ドイツ)
敵陣に攻め込みながら、ゴールが奪えない。
じれったいスペインの苦境を救ったのは途中出場のFWモラタだった。
ピッチに入ってから8分後の後半17分、左サイド深くまで進入したDFアルバの低いクロスにタイミング良く走り込んだ。
相手DFの前で、右足のアウトサイドを合わせる。ドイツの守護神ノイアーも止められない鮮やかなワンタッチシュートがネットを揺らした。
スペインの最大の弱点と言っていいのがFWの人材不足だ。
中盤ではバルセロナに所属するブスケツ、ペドリ、ガビのトリオが抜群の連係で細かくパスを回しながら、前へとボールを運ぶが、最後に決めきるタレントに乏しい。
この日はアセンシオをトップに置いたが、決定的な仕事ができず。そこで頼りにされたのが30歳の切り札だった。「ベンチスタートでも、先発でプレーするのと同様にチームの勝利を求めてプレーするだけ」。得点以外にもDFの裏への飛び出しでチャンスに絡んだ。
2010年南アフリカ大会で初優勝した時はシャビ、イニエスタの中盤に加え、前線には決定力に優れるビジャやフェルナンドトーレスがいた。
今大会で2度目の栄冠を狙うなら、FWの奮起が欠かせない。ベンチスタートのモラタが2試合連続で得点を挙げたのは明るい材料だ。
勝ち点を4に伸ばし、日本戦は引き分けでも1次リーグ突破が決まる。モラタは「とても難しいグループになることはわかっていた。日本のことを明日から十分に分析し、すべての力を注ぎたい」。スペインにとっては心強く、日本にとっては厄介なストライカーが波に乗ってきた。(岩佐友)
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