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狙われる医療法人、コロナ禍の経営難につけ込む 大阪、福岡で事件に

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河野光汰 華野優気
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 新型コロナウイルス禍で経営に打撃を受けた医療法人が狙われている。再建話に乗って現金をだまし取られたり、融資制度の仲介を持ちかけられて多額の手数料を取られたりする被害が相次いでいる。経営悪化につけ込む手口で、倒産した法人もある。(河野光汰 華野優気)

 大阪府内でクリニックなどを経営する医療法人が、東京都内のコンサル会社から買収の打診を受けたのは昨年冬のことだった。

 提示された買収額は約20億円。会社代表の女性は高級外車に乗り、高級ブランドバッグを手にしていた。「中東から多額の資金を引っ張れるなどと景気のいい話ばかりだった」と医療法人の関係者は振り返る。

 事前に数千万円の経営コンサル料を求められたのを不審に思い、代表者が所有する本社ビルを調べると、債権者に仮差し押さえされていた。医療法人は疑問を抱き、交渉を打ち切った。

 このコンサル会社は「帝凰(ていおう)グループ」。大阪府警は28日午前、同社代表の佐藤留美容疑者(52)を別の医療法人に対する業務上横領容疑で逮捕した。

 捜査関係者によると、逮捕容疑は今年7月、大津市内で診療所などを運営する医療法人の資金1億円を横領したというもの。佐藤容疑者はM&Aの仲介会社を通じて買収を持ちかけていたという。

 佐藤容疑者は、大阪市淀川区の医療法人から5千万円を詐取した容疑などでも逮捕、起訴されている。起訴状などによると、昨年8月、買収することで合意していた医療法人側に「5千万円を担保にして、1億円の融資を受ける」などとうそを言い、5千万円をだまし取ったとされる。捜査関係者によると医療法人は経営再建を迫られていたという。

 信用調査会社によると、この医療法人は精神科クリニックのほか介護施設も運営し、設備投資に伴う借入金の返済に追われていた。さらにコロナ禍で患者や利用者が減り、収益が落ち込んでいたという。医療法人は被害後の昨年末、民事再生手続きに入った。

 捜査関係者は「新型コロナで経営悪化した医療法人を狙った手口だ。被害にあった医療機関の経営が傾けば、地域医療にも影響が及ぶ恐れがある」と指摘する。

■医療機関向け融資制度悪用も…

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