「葉ネギは店で買わなくなった」 蘇る野菜クズ、我が家の庭は食糧庫
大坪実佳子
野菜のヘタや芯などを育て、再び収穫する再生栽培。その魅力を伝えている人がいる。物価が高騰する中で、トマトやピーマンに、意外な野菜まで、ちょっぴりお得に楽しめるかも?
東京都稲城市に住むイラストレーター、大橋明子さんは、「再生栽培スペシャリスト」としても活動している。
15年ほど前の、ある春の日のこと。
野菜くずを捨てようと、自宅の庭に出て生ゴミを堆肥(たいひ)にするコンポストを開けた大橋さんは、衝撃を受けたという。
「何これ、かわいい」
数日前、ジャガイモからくりぬいた5ミリ角の芽の部分を捨てていた。そこから1.5センチほどの緑色の芽が伸びていた。
当然いらないと思っていた部分が生きていて、復活している――。
つい応援したくなって、芽が出た部分をそっとプランターに植えてみた。時々水やりをしながら、観察した。
順調に葉が茂ったものの、約2カ月後、急に枯れ始めた。
「やっぱり枯れちゃったか。しょうがないや」
片付けようとプランターを土…
- 【視点】
再生栽培した小松菜の写真に驚きました。立派な葉が何枚も育っていて、これなら食材として十分に通用します。「失敗しても元手がかかっているわけじゃないので、気軽に取り組めるのが魅力」という大橋さんの言葉通り、育ったらもうけもの、ぐらいの気持ちで試