【そもそも解説】「積極的サイバー防衛」って何? なぜいま必要なの

世界中でサイバー攻撃が深刻化しています。ハッカー集団が民間企業を狙うケースもあれば、国どうしの戦争に用いられ「ハイブリッド戦」となるケースもあります。政府の国家安全保障戦略など安保関連3文書の見直しでは、「積極的サイバー防衛」の導入が議論されています。そもそもサイバー攻撃、積極的サイバー防衛とはなにか、どんな課題があるのか、解説します。
Q そもそもサイバー攻撃とはどんなもの?
A 攻撃対象のネットワークに侵入して相手のサーバーやシステムを破壊する手口や、ウェブサイトやサーバーに過剰にアクセスしたり、大量のデータを送りつけたりして、相手のサーバーやシステムに負荷をかける手法などがある。犯罪に使われたり、近年はテロや武力攻撃の手段として用いられたりすることもある。
日本でも9月、デジタル庁や総務省、文部科学省などが海外のハッカー集団から攻撃を受けたとされ、政府が運営するサイトが一時、閲覧できなくなることがあった。10月には、総合病院がサイバー攻撃を受けて、電子カルテが閲覧できなくなる事件も起きた。
Q 国の安全が脅かされるようなサイバー攻撃はあるの?
A 最近では戦争にもサイバー攻撃が用いられることがある。ミサイルや戦車、砲弾などの武器を使った物理的な軍事力と、サイバー攻撃やSNSを通じて偽情報を流して混乱させるなどの手段を組み合わせた手法は「ハイブリッド戦」と呼ばれている。
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