室内の指紋「事件前の機会の可能性」 奄美の女性殺害で被告に無罪

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仙崎信一
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 鹿児島県奄美市の住宅で2019年、一人暮らしの女性(当時87)を殺害したとして、殺人と住居侵入の罪に問われた奄美市の無職、渡部円治被告(24)の裁判員裁判の判決が28日、鹿児島地裁であり、中田幹人(まさと)裁判長は「犯人と認定するには合理的疑いが残る」と述べ、無罪(求刑懲役20年)を言い渡した。

 渡部被告は19年6月13~14日ごろ、現金などを盗む目的で奄美市名瀬小俣町の無職瀧田得枝さん宅に侵入し、1階寝室で瀧田さんの肩の近くを刃物のようなもので数回刺すなどして殺害したとして、起訴されていた。

 検察側は公判で、玄関の引き戸や冷蔵庫、瀧田さんの肌着の付着物から渡部被告の指紋やDNA型が検出されたとし、「犯人の行動と重なり、犯人と推認される」と主張した。

 弁護側は、被告が「事件の前後に入った可能性もある」とした上で、警察の証拠物の鑑定・保管が適切でなかったと無罪を主張。被告は無罪を訴えた以外は黙秘を貫いた。

 殺害に結びつく決定的な証拠がないなか、物証をどのように判断するかが争点だった。

 判決は、引き戸の指紋などから、被告が金品目的で住宅に入り、室内を物色した可能性があるとした。一方で、指紋などが付着したのが「(殺人事件と)近接した時期とは言えない」とし、事件前の別の機会に「物色するなどした際に残した可能性を排斥できない」と結論づけた。

 渡部被告は殺人事件の前の1…

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