地域で患者の日常的な診療や健康管理をする「かかりつけ医」について、厚生労働省は28日、制度の整備に向けた骨格案を示した。患者は医療機関と書面を交わしてかかりつけの関係を確認できるようにする。
なぜ、このような動きがでてきたのか。
「一般的な外来はかかりつけ医へ。紹介を受け大病院を受診して」。新型コロナウイルスの流行が始まる前から、国は最初に患者を診る外来と専門的な医療をする施設をわけて役割分担を進め、効率的な医療の提供を促してきた。
だが大病院を好む国民性もあり、機能分化は十分に進んでこなかった。一口に「かかりつけ医」と言っても、求める機能が統一されていなかった。
見つからなかった「かかりつけ医」
コロナの感染が拡大して以降、「発熱したらまずはかかりつけ医へ」と国は呼びかけたが、「発熱してもどこも診てくれない」「かかりつけ医だと思っていた医師に、診療やワクチン接種を断られた」という事例が各地でみられた。
国内の医師は、医師免許があれば自由に開業でき、患者は、いくつもの医療機関を選んで受診できる。医療機関、患者双方にとって、自由で便利なシステムが続いてきた。
今後、高齢化はさらに進む。病院を退院し、自宅や施設で過ごす人も多い。介護施設とも連携し、患者を支えていくことがますます重要になる。現状は、同じ検査を複数の施設で受けたり過剰に薬を処方されたりしている面もあり、どう解消するかも課題だった。
書面交わす患者、限定
新たな「かかりつけ医」ができれば、現状は改善するのでしょうか。記事の後半では、注文や課題も紹介しています。
一方、医師側には、受診患者が減れば利益が減るという懸念もある。医療機関同士の競争を避けたいという思いも強い。
折り合いをつけるようなかた…

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