岸田首相が自民党重鎮と連日面会、その心は? 28日は菅義偉前首相
岸田文雄首相は28日、東京・永田町の衆院議員会館に菅義偉前首相を訪ね、約15分間会談した。前日には、自民党の世耕弘成参院幹事長と東京都内のフランス料理店で約1時間懇談。その後、茂木敏充幹事長とも首相公邸で会談した。不安定化する政権運営などについて党重鎮と意見を交わし、協力を求めたと見られる。
首相は菅氏との会談後、記者団に「最近のいろいろな動きについて報告するとともに意見交換した」と説明した。27日の茂木氏との会談では、12月10日に迫る国会会期末を前に、補正予算案の早期成立や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題を受けた救済新法の審議など国会運営や今後の政策課題について意見交換したという。
首相は連日、自民党幹部と会談を重ねており、23日に茂木氏と会談したほか、24日に麻生太郎副総裁、25日に萩生田光一政調会長とそれぞれ食事を交えて懇談した。3閣僚の相次ぐ辞任で支持率低迷が続く中、年末に向けて、安全保障関連3文書の改訂や2023年度政府予算案の編成など重要政策の調整を控える。
首相には、難しい課題を前に党幹部に協力を求め、政権基盤の安定を図る狙いがあるとみられる。(小木雄太)
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「敵を減らし、好意を持ってくれる広大な中間地帯をつくる」。党内操縦や権力奪取の要諦(ようてい)について、田中角栄元首相はこう語っていたといいます。ここ最近、自民党内の重鎮らと頻繁に会談を重ねる岸田首相をみると、この「角言」を思い出します。
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政治取材は誰と誰が会って何を話したかが基本。料亭への出入り現認、夜討ち朝駆けでの事後確認と、若い頃は体力任せで取材したものです。それがやっぱり大事だなと、防衛力強化するけど財源は?をめぐる最近の自民党の混沌を見るにつけ感じています。これも含