新潟市の職員自殺、市が控訴見送り 遺族「つらい15年に区切り」
茂木克信 宮坂知樹
新潟市水道局の男性職員(当時38)が2007年に自殺したことについて市の責任を認めた新潟地裁判決をめぐり、市は28日、控訴しないと表明した。「完全な敗訴ではない」などと理由を説明している。遺族は「開き直り」と憤る一方、「精神的に限界」と判決を受け入れる考えで、市に約3500万円の賠償を命じた判決が確定する見通しだ。
24日の判決は、上司のパワハラが自殺の原因だとする遺族側の主張は退けたものの、職場環境を改善するなどの注意義務を怠ったとして市の過失を認定した。
28日の市議会環境建設常任委員協議会で、水道事業管理者の佐藤隆司・水道局長がこうした内容を報告。「司法判断を真摯(しんし)に受け止め、判決金額の支払い手続きを進めることとしたい」と述べた。また、自身が遺族宅を訪ねて謝罪する考えがあるとしたほか、職員の自殺といった重大事案が起きたときは、今回のように内部調査で済ますのではなく、第三者機関を設けて調査の透明性を高めたい、とした。
協議会後には報道各社の取材…