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気候変動に目を向ける医療界 救急医学会が試みた「冒険」の理由とは

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市野塊
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 地球温暖化は、将来の医療の姿を変えるかもしれない。熱中症など人々の健康にも大きな影響を与えうる。自然災害が増えることによる対応が必要になる可能性もある。こうした気候変動に「適応」するための議論が、医療界でも始まっている。

 「今日は初めて試みる企画です。気候変動について50年後の話をします」

 10月下旬、東京都内で開かれた日本救急医学会の総会・学術集会。医学系の学会としては一風変わったシンポジウムがあった。気候変動によって変化する社会と、それに対応する救急医療のあり方を考える、というものだ。

 たとえば気温が上がれば熱中症の患者がいま以上に増える可能性がある。代表的な症状の一つは発熱だ。だが、発熱は一般的な感染症でも起きる。原因を特定するには検査が必要だが、多くの検査に対応しきれないおそれもある。その場合は自宅で自己検査してもらったり、検体の採取から検査までをロボットに担ってもらったりする必要があるかもしれない。

 温暖化の救急医療への影響はほかにもある。

 熱帯地域で流行する病原体を運ぶ蚊が将来、日本にも生息するようになるかもしれない。そうなれば、より多くの感染症が日本で流行するおそれもある。

 温暖な海域にいて、毒を持つウミヘビは沖縄県近海でみられるが、温暖化に伴って北上し、国内の多くの海水浴場でもかまれた人への対応が必要になるかもしれない。豪雨や台風被害が増え、被災地への医療支援の必要性がより高まる可能性もある――。

「変化に無縁でいられない」

 シンポジウムではこうした将…

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