森の妖精ギンリョウソウに赤い花の新種 発見から20年、入念に検討
矢田文
白いガラス細工のような見た目が特徴のギンリョウソウに、赤い花をつける新種がいることがわかった。神戸大などのチームが突き止めた。ギンリョウソウは光合成をしない植物として知られるが、これまで発見されているのは世界でも1種のみだった。
ギンリョウソウは日本や東南アジア、中国、台湾、ロシアと世界に幅広く分布する。光合成はせず、根に付着した地中の菌類に寄生して栄養を得ている。その幻想的な姿から「森の妖精」とも呼ばれる。
鹿児島県の霧島周辺では以前から、赤みのある花を持つギンリョウソウが分布していることが知られていた。宮崎県総合博物館の黒木秀一さんが20年ほど前に、花を咲かせる時期が一般的なギンリョウソウとは異なることを発見。ただ、別種とするには根拠が乏しかった。
それから約10年後、神戸大…