米国で合成メタン製造・輸入へ 国内供給の1%、東京ガスなど4社
宮川純一
東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、三菱商事の4社は29日、米国で再生可能エネルギー由来の水素(H2)と二酸化炭素(CO2)からメタンガス(CH4)を生産し、日本に輸入するプロジェクトの検討に入ると発表した。2030年までに都市ガス3社の国内供給量の1%にあたる年13万トンの生産をめざす。世界最大のプロジェクトになるという。
風力発電や太陽光発電がさかんな米テキサス州やルイジアナ州で水を電気分解して水素を製造し、工場などから出るCO2と合成させてメタンをつくる。三菱商事が出資する液化天然ガス(LNG)基地の設備を活用し、天然ガスと同じように液化して日本へ運ぶという。
合成メタンは原料にCO2を使うため、燃やしても実質的に大気中のCO2を増やさない「カーボンニュートラル」の燃料として注目されている。メタンは天然ガス(都市ガス)の主成分で、国内でも導管などをそのまま使えるのもメリットだ。
課題はコストだ。合成メタンの製造費用はLNGの2~3倍かかると試算され、政府に支援を求めている。(宮川純一)
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