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五輪入札不参加、代わりに落札企業の下請けに 組織委・電通が約束か

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 東京五輪パラリンピックのテスト大会業務をめぐる入札談合事件で、複数の企業について、入札に参加しない代わりに落札企業の下請けとして業務を請け負う調整が行われた疑いがあることが、関係者への取材でわかった。東京地検特捜部公正取引委員会は29日、下請けに入った会社も独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで家宅捜索し、公正な競争が制限されたとみて調べている。

 東京五輪・パラ大会の組織委員会は2018年、各競技のテスト大会の計画を立案する業務を発注した。競技会場ごとに26件の競争入札が行われ、9社と1共同企業体が落札。契約金の総額は約5億4千万円で、組織委側と電通側が主導して事前に受注者を調整した疑いが持たれている。

 関係者によると、組織委側と電通側は複数の企業とメールなどで協議し、入札に参加しない見返りに、落札企業の下請けに入って一部業務を引き受ける約束を交わした疑いがあるという。

 調整の結果、26件の入札の大半は1社しか参加しなかった。そのうえで、参加を見送った企業らは実際に落札企業の下請けとして一部業務を受注したという。

下請け企業にも捜索広がる

 特捜部と公取委は29日、下請け受注した都内のイベント制作会社3社を捜索。2社は独禁法違反の直接の容疑対象として、1社は関係先として捜索した。

 容疑対象として捜索を受けた会社の幹部は取材に、入札不参加をめぐる調整について「そんなのはないと思う」と否定した。

 テスト大会の計画立案業務を落札した企業は、その後のテスト大会の実施運営や本大会の運営業務についても、入札を伴わない随意契約で受注した。これらの業務の規模は数百億円で、下請け企業もそのまま下請けで入ったとみられる。

 話し合いによる入札不参加は受注先を事前に決める行為の一部であり、不参加企業も独禁法が禁じる競争制限の対象になる。特捜部と公取委は、より大規模な本大会などの業務でも下請けに入ることを見越して入札見送りを受け入れた疑いがあるとみて調べている。

 特捜部と公取委は29日、落札9社のうち、広告業界3位の「ADK」と、業界トップの「電通」のグループ企業「電通ライブ」も捜索した。25日以降の計3日間で、捜索は9社中8社に及んだ。電通や業界2位の「博報堂」も含まれ、特捜部などは業界全体で受注調整があったとみている。

 一連の入札では、発注業務を担った組織委大会運営局の次長(当時)、組織委に電通から出向した職員、電通本体の担当者の3人が受注調整を主導したとみられる。元次長は入札を公募する前、競技ごとの受注候補先をまとめた一覧表をつくり、電通側に表を完成させるよう依頼していたことが判明している。

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