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赤ちゃんポストではなく妊婦の「ドア」 24時間相談、助産師の挑戦

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熊谷姿慧
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 神戸市北区の「マナ助産院」がこの秋、29年のお産の歴史に幕を下ろした。この間、取り上げた赤ちゃんは2234人。院長の助産師・永原郁子さん(65)は今後、様々な事情で妊娠や出産に悩む女性を24時間支援する活動に専念する。困ったらいつでも開けて入れる「ドア」を目指して――。

 9月26日。マナ助産院には、院での最後のお産となった中野遥さん(39)と長男の道(わたる)くん(0)が1カ月健診に訪れた。道くんの体重や身長を測った永原さんは「順調だね。これからも幸せに大きくなってね」と声をかけた。

 三女の響(おと)ちゃん(6)もマナ助産院で産んだ中野さんは「お産をする母としては、なくなるのはすごく寂しいです」。

 永原さんは、帰路につく中野さん一家を、姿が見えなくなるまで見送った。「これで一区切り、やり遂げたかな」と、すがすがしい表情を見せた。

 1993年にマナ助産院を開いてから、院長として多くのお産に関わってきた永原さん。これからは、4年ほど前に自身が立ち上げ、今年2月に公益財団法人となった「小さないのちのドア」に専念する。

 思いがけない妊娠や出産・育児で追い詰められた女性からの相談を、電話やSNS、来所で受け付けている。すべて24時間対応なのは全国でも珍しいという。

 保健師や社会福祉士臨床心理士が在籍。頼れる人がいない妊産婦が、生活支援や自立支援を受けながら暮らせる「マタニティーホーム」も併設している。

 「ドア」設立のきっかけは、2017年に市民団体から、慈恵病院(熊本市)に続く「赤ちゃんポスト」を関西に作らないか、と持ちかけられたことだった。

 「一番そばにいたはずなのに…

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