新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけの見直しについて、加藤勝信厚生労働相は29日の閣議後会見で「早期に議論を進める」と表明した。ウイルスの重篤性や公費負担のあり方を整理しながら、季節性インフルエンザと同じ「5類」への引き下げも視野に議論を本格化させる。
加藤氏は見直しに向け、「コロナの病原性、感染力、変異をどう評価するのか。国民と理解を共有できる基盤作りが必要だ」と述べ、専門家に議論を進めてもらう考えを示した。
新型コロナは現在、感染症法上の類型のうち、「新型インフルエンザ等感染症」に属し、結核などと同じ「2類」以上の強い感染防止策がとられている。入院や外来診療に対応できる医療機関は一部に限られ、感染拡大のたびに医療逼迫(ひっぱく)が課題となってきた。
それでも、政府は類型見直しに慎重な姿勢を示し続けてきた。高齢者の重症化率や致死率が高かったためで、今春の第6波まではインフルを上回っていた。「2類相当」の位置づけを変えないまま、療養期間の短縮、全数把握の簡略化などの措置を打ち出すことで、感染対策と社会経済活動の両立をはかる「ウィズコロナ」を進めてきた。
致死率低下、社会の要請、治療薬など背景に
だが、厚労省幹部らは現時点で、類型見直しに向けた環境が整ってきたとみている。
その理由としては、まず致死…

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