第8回富裕層の相続節税、ハードル高くなる? 贈与税のルール変更を検討

有料記事

筒井竜平 千葉卓朗
[PR]

 12月中旬にまとめる来年度の税制改正大綱に向け、政府・与党は贈与税のルールを変更する方向で調整に入った。相続財産が多い富裕層の場合、財産を分割して生前贈与をすることで税負担を軽くできるが、変更後はこうした節税策のハードルが高くなりそうだ。

 相続税の節税に使われることを防ぐため、贈与税の税率は相続税よりも高い。ただ、節税防止には限界があり、富裕層は財産を分割して生前贈与すれば税負担を軽くできる。例えば財産が6億円超の場合、生前贈与せずにまとめて相続すれば税率は最大55%だが、4500万円以下に分割して生前贈与すれば税率は50%以下に抑えられる。

 贈与税の課税件数は年間約40万件にのぼる。課税方式は2種類あるが、9割はこの節税策を利用できる「暦年課税」という仕組みを使っている。

 暦年課税は、1年間に贈与された財産から基礎控除額(110万円)を引き、残額に応じて累進税率(10~55%)をかける。ただ、相続税の節税のために駆け込みで生前贈与することを防ぐため、贈与者が死亡する直前の3年間については、贈与額を相続財産に加算して相続税を課税するルールがある。

 今回の税制改正ではこの加算期間を数年延ばすことを検討している。長期間の分割贈与で節税を図る富裕層にとっては実質増税になりそうだ。具体的に何年延ばすかは、今後の与党税制調査会で詰める。フランスの加算期間は15年、ドイツは10年で、これらの海外事例を参考に議論する。

格差の固定化を避けるために

 専門家からは「今の日本の加…

この記事は有料記事です。残り592文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

【期間中何度でも15%OFF】朝日新聞モールクーポンプレゼント
富はどこへ 異次元緩和10年 5つのなぜ

富はどこへ 異次元緩和10年 5つのなぜ

金融緩和とは結局、何だったのか。分かりやすいイラストや専門記者の解説で探るとともに、私たちの暮らしへの影響を検証します。[記事一覧へ]

連載それって得なの?損なの? 2023年度税制改正(全30回)

この連載の一覧を見る