人気者、厄介者、それとも救世主? 世界が注目するラッコのひみつは

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小川詩織
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 つぶらな瞳に、おなかの上で貝を割るしぐさが愛らしい水族館のアイドル、ラッコ。絶滅の恐れがあり、国内の水族館では会えなくなるかもしれない危機にある。

 マリンワールド海の中道福岡市)にいるオスのラッコのリロ。ここでは一番の人気者だ。食事タイムには、平日でも観覧エリアに多くの人が押し寄せる。イカや貝を両手でつかみ、食べる姿はとても愛らしい。飼育スタッフが「日本の水族館では、ラッコは残り3頭になってしまっています」と解説すると、訪れた人たちから「ええー」と驚きの声があがった。

 マリンワールドによると、日本でのラッコの飼育は1982年に始まった。多いときには全国28施設で122頭がくらしていた。ラッコは、もともと米アラスカや千島列島周辺の北太平洋沿岸に生息。明治時代ごろまでは、北海道にも多く分布していたという。

 しかし、18世紀から19世紀にかけて、断熱性のある上質な毛皮を求めて乱獲されたり、89年にアラスカで起きたタンカーの座礁事故で原油が流出したりして、生息数が激減。絶滅の恐れのある野生生物の取引を管理するワシントン条約によって国際取引が規制され、主な生息地である米国からの輸入は1998年に途絶えた。2000年には国際自然保護連合(IUCN)が絶滅危惧種に分類した。

 現在は、マリンワールドの1頭のほか、三重県鳥羽水族館にメス2頭の計3頭を残すのみ。リロは15歳で、人間に換算すると60歳ほど。20歳が寿命と言われていて、鳥羽水族館の2頭も14歳と18歳になり、高齢化で今後の繁殖は難しそうだという。

 マリンワールドでは、飼育室の空調や水温といった環境を整え、採血や体温測定の訓練を積極的に行い、ストレスを与えずに健康管理が出来るようにしている。海洋動物課の秋吉未来さんは「リロに少しでも長く過ごしてもらい、訪れた人にかわいい姿を見て楽しんでもらいたい」と話す。

 水族館では見られなくなって…

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