変形した柿が謎の大量発生 「大大大打撃です」干し柿の生産者悩む
緑川夏生
実が複数に分かれていたり、縦に細い溝があったりする柿が宮城県内で大量に確認されている。春の高温や寒暖差が要因との報告があるものの、詳しい原因は特定されていない。収穫した柿の8割に上るケースもあり、干し柿の生産者は「なぜこんなに多いのか」と首をかしげる。
干し柿作りが最盛期を迎えた宮城県丸森町。商店「いなか道の駅やしまや」隣の作業場では29日、機械でむききれなかった皮を作業員がピーラーを使って取り除いていた。
「今まで経験したことがなく、大大大打撃です」。八島章太郎さん(27)は苦境を口にする。
やしまやの畑では、渋柿の品種「蜂屋柿」約200本を育てている。11月から収穫を始めたところ、8割以上に溝のようなくぼみがあったり、実が複数に分かれていたりと変形していた。「普段は100個に一つくらいの割合しかないのに」といぶかる。
八島さんにとって、ただでさえ凍霜害で柿の収穫量が大幅に減っているなかでの異常発生だった。変形していると、廃棄せざるを得なかったり、干し柿の皮むきに手間が取られたりするという。
干し柿は来年1月から店頭や…