サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会は、かつてないほどピッチの外が揺れる大会となった。カタールの人権を巡る懸念が理由で、欧州では大会への冷めた目線も広がる。だが、その欧州は近年、サッカーにとどまらず政治や経済でもカタールと、資源マネーで深く結びついてきた。批判は「偽善」や「矛盾」として欧州に跳ね返っている。
日本と初戦で対戦したサッカー大国ドイツでは、かつてなかった観戦光景が広がっている。
ドイツ北部ハンブルクにある「マチルデ・バー」を訪ねると、「ボイコット・カタール2022」と描かれたステッカーが店の窓に貼られていた。カタールの人権状況に懸念を抱き、放映しないと決めた国内の飲食店が、連帯の印に貼っているものだ。
カタール親善大使のベッカム氏 契約金250億円と報道
同店ではこれまで、W杯では大型テレビを2台置き、店はファンでいっぱいになった。だが今回、店内にテレビは置かない。
「性的少数者の迫害や外国人…
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「欧州」と一括りにできないことがこの記事から明らかにわかります。浮かび上がるのは、政治家や国家やスポーツビジネスの商業主義による、スポーツの利用。誰が「スポーツウォッシング」の綺麗事を言っているのか、純粋に人権問題を訴えているのか、見極めな
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選手たちが、個人の権利を守る側に立ち、平和的な抗議活動をすることは当然認められるべきことです。 なぜなら、平和や社会の安定や、個人が文化的活動を自由に選択できる社会環境がなければ、スポーツは成り立たないからです。 「政治とスポーツは別」