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島根大診療室の医師、10年間診療記録作らず 向精神薬の持ち出しも

榊原織和
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 島根大学の出雲キャンパスで、学生や教職員のための診療室に勤めていた医師が、約10年にわたって診療記録を作成しなかったり、向精神薬の処方の管理を怠り、無断で持ち出したりしていたことが分かった。29日に同大が公表した。

 同大によると、昨年12月に医師の不適切な業務について通報があり調査を開始。約10年前から、医師法が定める診療記録を正しく作成していなかったり、思考や感情に作用する向精神薬について、誰にどのくらい処方したかなどの管理をしていなかったりしたことがわかった。適切な診療記録がない受診者は、10年間で延べ4万件分あると見られる。

 また、医師は、2015~21年にかけ、向精神薬の一つで副作用もある「サイレース」という睡眠薬1千錠を無断で持ち帰り使用したと話したという。外部に売買していたような形跡は見つかっていないという。

 同大は「個人情報」として、医師の名前や性別を明らかにしなかった。医師は今年1月から病気を理由に休みがちになり、8月末で自己都合退職した。大学の聴取に不適切な業務を認めている。同大は医師法違反や窃盗の可能性もあるとして、警察に相談。退職金の支払いは差し止めている。

 会見した服部泰直学長は「深くおわびする。再発防止に取り組み、信頼回復に努める」と謝罪した。同大は4月にも献体50体の不適切保存の不祥事を公表。「重大事案の原因は個人の質も大きいが、我々のチェック体制ができてなかった。根っこに大学の大きな問題がある」と述べた。(榊原織和)

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