第6回廃虚マンション、広がる中国 不動産「冬の時代」減速の現場を歩いた

昆明=西山明宏
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 不動産大手・中国恒大集団の経営危機が表面化して1年以上経つ。中国では、住宅の開発や販売額が大幅に減った。国内総生産(GDP)の約3割を占めるとされる不動産業界の不調は、厳しい移動制限を伴うゼロコロナ政策と並び中国経済減速の主因となっている。建設工事が止まり廃虚のようになったマンションがいま中国各地で広がっている。

 市場では不動産に対する信用不安が広がり、マンションを買う人が減っている。中国国家統計局によると、1~10月の住宅販売額は前年同期比28・2%減。開発も進まず、住宅の開発投資額も同8・3%のマイナスとなった。いずれも今年は1999年以降で最大の下げ幅となる見通しだ。

 不動産大手の経営は改善の兆しを見せていない。碧桂園は今年上半期の売上高が前年同期比で3割、純利益は同9割減だった。同社首脳は「業界は未曽有の厳しい冬の時代に直面し、その影響は我々の想像を超えている」と嘆く。

 経営危機にある不動産会社が工事を続けられず、引き渡しの期日を迎えても完成しないまま廃虚のようになったマンションが中国各地で目につく。その規模は面積にして約2億平方メートル。南部の雲南省昆明市の高層マンションを訪ねると、窓もなく電気も通っていない部屋に住んでいる人がいた。

 棟内でモデルルームだけにある水道を使い、ポットでわかして体を洗う。電気は建設会社が残していった配線を室内に引っ張り、スマートフォンを充電している。男性は職場が遠い仕事もやめ、稼ぎの少ない屋台の仕事で食いつなぐ。

 そこまでして、なぜ住み続けるのか。男性は「本当なら自分の部屋になるはずだった」からだと話した。完成しないことへの抗議を示すためでもあった。だがそんな男性に対し、不動産会社も政府も銀行も、他の購入者も助けの手を差し伸べていない。(昆明=西山明宏)

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