「台湾」と「ウクライナ」に中国側がダメ出し 共同世論調査の舞台裏

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聞き手 編集委員・坂尻信義
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 特定非営利活動法人・言論NPOと中国国際伝播集団の日中共同世論調査で、台湾問題やロシアによるウクライナ侵攻に対する中国の民意の一端が明らかになりました。こうした「敏感」なテーマに関する設問が中国での世論調査に盛り込まれたのは、極めて異例です。12月7、8両日にオンラインで実施する「東京-北京フォーラム」を前に、今回の世論調査が実現した経緯や調査結果について、言論NPOの工藤泰志代表に聞きました。

 ――言論NPOが中国側のカウンターパートと民間対話の枠組み「東京-北京フォーラム」を始めて今年で18回目になります。これまで毎年、フォーラムを前に両国での世論調査を実施してきました。

 ペロシ米下院議長が台湾を訪問し、中国が激しく反発したのは8月のことです。その前からロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続いていた。それでいて今年の世論調査でウクライナや台湾について聞かないということは、あり得ない。そう考えて、最初は30問ぐらいの質問項目を日本側の要望として中国側に伝えました。

 しかし、予想されたことですが、中国側は「それは無理です」とすべてダメ出しをしてきた。でも、ウクライナも台湾もないと、東京-北京フォーラムで抽象的な議論しかできません。それでは民間対話の意味がない。あらためて中国側にウクライナと台湾についての質問項目を入れるように求め、断られ、というやりとりを繰り返した結果、ウクライナと台湾に特化した質問が2問ずつ盛り込まれることになりました。

 台湾に絞った質問が盛り込まれたのは、今年で18回目を数える東京-北京フォーラムに合わせた日中共同世論調査の歴史のなかで、初めてのことです。

 ――世論調査の結果をどう見…

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