「ヒグマになって冬眠したかった」 生活保護、ストーブ買い替え棄却

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平岡春人
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 壊れたストーブの買い替え費用を生活保護受給者に臨時支給しないのは「健康で文化的な最低限度の生活」を保障した憲法25条に反するなどとして、札幌市の50代男性が市を相手取り、支給却下決定の取り消しを求めた訴訟の判決が30日、札幌地裁であった。右田晃一裁判長は「買い替えは毎月の生活保護費でまかなうべきだ」として、請求を棄却した。原告側は控訴する方針。

 判決などによると、男性は心筋梗塞(こうそく)や心不全などを患い、2013年から生活保護を受給している。自宅のストーブが壊れたため、17年12月、新たにポータブル石油ストーブを購入する費用1万3590円の臨時支給を札幌市に申請。市は、暖房器具の臨時支給は生活保護の開始時や災害で失った場合に認めるとする厚生労働省の通知を理由に、男性の申請を却下した。

 男性は19年に提訴。冬の北海道で暖房器具がなければ「病気のある人の症状が悪化し、死に至る危険がある」と主張。国の通知が想定していない場合でも臨時支給すべきだ、などと訴えていた。

 判決は「生活保護を受けていない家庭も、家具の買い替えのために家計をやりくりしている」と述べ、生活保護受給者の場合も、暖房器具の買い替えは毎月の生活保護費をあてるべきだと指摘。原告が却下決定後に灯油ストーブを購入していることを踏まえ、「臨時特別の需要が原告にあったとは認められない」と結論づけた。

 国の通知に基づいて却下した市の決定も「憲法25条に照らし不合理とはいえない」とした。

「獣の集団と変わらない」 原告の思い

 判決後の会見で、原告の男性は声明文を読み上げた。淡々とした口調だが、内容は切々としていた。

 「ヒグマになって、冬に冬眠…

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