京都・建仁寺がモミジ切られ被害届 「ミシュラン」店従業員が認める
境内のモミジの枝が無断で伐採されたとして、臨済宗建仁寺派大本山の建仁寺(京都市東山区)が、京都府警東山署に被害届を出した。30日、同寺が明らかにした。近くの祇園にある「ミシュランガイド京都・大阪2023」で二つ星に格付けされている日本料理店の従業員が伐採したことを認めており、同署が窃盗容疑で調べている。
建仁寺によると、11月18日午後10時30分ごろ、北門近くで、境内の駐車場利用者が白い袋を持った2人組の男を発見。不審に思って声をかけたところ、袋の中に赤い葉をつけたモミジの枝が入っていたため、寺と警察に通報した。2人は近くにある日本料理店の従業員で、枝の伐採を認めたという。枝は長さ17~40センチで、5本ほどあった。枝を切る様子を、防犯カメラが撮影していた。
同寺の境内は近隣住民の生活道路の役割を果たしていることもあり、24時間開放されている。境内では11月初旬にも、日中に別の場所でモミジの枝を切ろうとする男性に僧侶が気付いてとがめたことがあった。無断伐採が繰り返されていることから、被害届を出すことにしたという。建仁寺派の浅野俊道内務部長は「ほかの神社仏閣も同じような被害に遭っているのではないか。被害届を出すことで抑止になれば」と話す。
日本料理店の店主は、モミジの枝は料理を飾るためのものだとし、「取ってはいけない場所に従業員が足を踏み入れてしまい、反省している。寺に謝罪し、今後はこういうことがないようにしたい」と話した。(西田健作)
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