帝塚山大学(奈良市)の付属博物館に所蔵されている古びた獅子頭は、学芸員資格取得のための博物館実習で使う、学生らになじみ深い文化財だ。
30年ほど前に古美術商から購入したらしいが、下あご部分の墨書から江戸後期の文化7(1810)年の制作とみられるものの、他はかすれて由来がわからなかった。
コロナ禍でフィールドワークに行きづらかった昨年度、学生らはその謎解きに挑んだ。
奈良大学(奈良市)の協力で赤外線撮影したところ、かすれた部分が判読できた。「防州下徳地柚木村」。現在の山口市徳地柚木で制作されたものだった。
山口市歴史民俗資料館に照会…