100円稼ぐのに2万円かかる路線も JR西、ローカル線収支が悪化

松岡大将
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 JR西日本は30日、乗客が減っているローカル線の2019~21年度平均の収支を公表し、対象の17路線30区間全てで赤字だった。赤字総額は約247億円で18~20年度より3・6億円改善したが、コロナ禍で利用客の減少が進み収支率が悪化した。苦しい経営状況を開示し、バスへの転換など沿線自治体との議論を加速させるねらいだ。

 対象はコロナの影響が本格化する前の19年度の輸送密度(1キロあたりの1日平均利用者数)が、2千人未満の区間。

 赤字総額は247・3億円で、18~20年度平均より赤字幅は1・4%(3・6億円)縮小した。ワンマン化などコスト削減を進めたためという。赤字額が最も大きいのは山陰線出雲市島根県)―益田(同)の35億円。紀勢線新宮(和歌山県)―白浜(同)の29・5億円、関西線亀山(三重県)―加茂(京都府)の16・2億円が続いた。

 一方、費用に対して収入がどのくらいあるかを示す収支率は10・9%で、18~20年度平均より1・5ポイント悪化した。収支率が最も低いのは、芸備線東城(広島県)―備後落合(同)の0・4%。100円の収入を得るために、2万3687円の費用がかかる計算だ。木次線出雲横田(島根県)―備後落合の1・3%、芸備線備後落合―備後庄原(広島県)の2・1%などが続き、100円を得るための費用はそれぞれ7453円、4702円だった。担当者は「沿線人口も減っており、大量輸送の特性が発揮できないところは(路線のあり方について)議論を進めたい」と述べた。

 赤字ローカル線の維持が負担となっているJR5社は路線の収支を相次いで公表している。4月にJR西が初公表し、7月にはJR東も踏み切った。7月には国土交通省の有識者会議が、輸送密度「1千人未満」などの条件を満たす路線や区間について鉄道会社と自治体に協議を促すなどとする提言をまとめた。(松岡大将)

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