(29日、1次リーグB組 米国1―0イラン)
イランと米国の選手には迷惑な話だった。
試合は異様な注目を集めていた。両国間の政治を絡めて、ピッチ外で雑音が続いたからだ。
米国サッカー協会の公式SNSがイラン国旗を加工して掲載し、米国のバーハルター監督が記者会見で謝罪する一幕も。同協会は「基本的人権のために戦うイラン女性への支持を表明した」と主張したが、チームは騒動に巻き込まれた。
「我々にとってはサッカーの試合であり、それ以上の意味は持たない」。バーハルター監督はそう繰り返さなければならなかった。両チームとも、勝てば1次リーグ突破が決まる状況だった。
4年後のW杯を共同開催する米国は若いチームを鍛える途上にある。6度目の出場となるイランは初のベスト16入りが目の前にあった。
立ち上がりから試合はヒート…