豪雨被災した私を支えてくれたピアノ 真備のピアニストが地元に寄贈
小沢邦男
2018年の西日本豪雨で被災した倉敷市真備町地区のピアニスト橋本里香さん(39)が、地元の文化施設にグランドピアノを寄贈した。自宅が全壊しピアノも失った際、知人から譲り受けたヤマハ製だ。「被災後の4年間を支えてくれた大切な存在」で、地域の人たちを広く元気づけようという願いを込めて。
「被災前は自分のために弾いていた。この4年間は、地域のために弾くことが自分の力になった」
11月29日、文化施設「マービーふれあいセンター」のロビーであった寄贈式。橋本さんは住民ら約30人を前にこうあいさつし、真備のイメージソング「竹の道」(小林亜星作曲)など3曲を披露した。
橋本さんは真備町出身。大阪芸術大とウィーン国立音楽大でピアノを学び、プロの奏者として岡山や大阪などで活動を続ける。
西日本豪雨では自宅が2階まで浸水被害を受けて全壊。ピアノや楽譜、衣装など多くを失った。町内で被災を免れた実家に身を寄せた。
近くの幼稚園で演奏を披露す…