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「27%悪化を抑制」のアルツハイマー新薬 医師が語る効果と副作用

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後藤一也 編集委員・辻外記子
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 エーザイは29日、開発中のアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の臨床試験(治験)の詳細結果を発表した。レカネマブの治験結果の「27%悪化を抑制」というデータを臨床医はどうみるか。

 稲毛神経内科・メモリークリニック(千葉市)の吉山容正院長は「進行予防に意味がないわけではないが、効果を実感できるかというと難しい。家族や主治医が『前よりよくなった』と感じる可能性はほぼない」と話す。

 そもそも、アルツハイマー認知症が、どのように発症するかは、完全にはわかっていない。複数の仮説があり、先行して研究が進んできたのが、「アミロイドβ(Aβ)仮説」だ。発症する10年以上前から、たんぱく質であるAβが脳の神経細胞の外にたまり、それがきっかけとなり、「タウ」という別のたんぱく質によって神経細胞が壊されていくという考え方だ。

 この仮説に基づいて、病気の原因に直接働きかけるのが「疾患修飾薬」だ。どの段階のAβを標的にするか、Aβのどの部位を標的にするかなど、薬によって少しずつ異なっている。レカネマブとガンテネルマブはどちらも、完全に固まる前の段階のAβと結合するとされる。

検査数に限界

 レカネマブが承認されれば実用化されることになるが、課題は多い。

 まず、対象者の拾い上げが難…

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