梨泰院事故から考える韓国 激しい政治的対立で原因究明おろそかに

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聞き手・桜井泉
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 韓国・ソウルの繁華街、梨泰院(イテウォン)で10月末、ハロウィーンを楽しむ若者ら158人が犠牲になった雑踏事故は、発生から1カ月が過ぎた。若い人たちの命を守れなかった韓国社会には、喪失感と絶望感が漂う。ソウル在住のフリージャーナリストで日本語の著書もある金敬哲(キムキョンチョル)さんに聞いた。

傷ついた「一流国家」のプライド

 ――梨泰院の雑踏事故の犠牲者のほとんどは、若者でした。若者が犠牲になる大きな事故が起きたことは、どう受け止められているのでしょうか。

 「人々が衝撃を受けたのはもちろんですが、韓国人としてのプライドがひどく傷つけられました」

 ――プライドとは。

 「アイドルグループ、BTSが世界で活躍し、映画、ドラマなどの韓流が席巻しています。また、新型コロナ対策に成功したとして、韓国が世界をリードする一流先進国になったという自信であふれていました」

 「Kポップ、K文学、K防疫…

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    箱田哲也
    (朝日新聞論説委員=朝鮮半島担当)
    2022年12月2日10時46分 投稿
    【視点】

     梨泰院の事故で犠牲になった多くは、8年前の旅客船沈没で亡くなった当時の高校生たちの世代に重なる。なぜこの社会は、彼ら彼女らにこれほどまでに厳しい試練を科してしまうのか。先日の韓国出張で、そんな自責の念に駆られる大人たちの声を聞いた。