「お金のプロ」から投資やローン学ぶ 三重の高校で出前授業が人気

山本知弘
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 「お金のプロ」を招き、投資やローンをめぐる話題を学ぶ授業が三重県内の高校で人気だ。百五銀行が今年度に手がけた出前授業の回数は、半年ですでに前年の実績を上回る。成人年齢の引き下げもあり、県教育委員会も取り組みを強化しようとしている。

 11月2日午後のセントヨゼフ女子学園高校(津市半田)。約60人の2年生に百五銀広報SDGs推進室の田中まなみさん(39)が呼びかけた。「会社の目標、社長メッセージ、自分が共感できるか。三つの視点でどちらの会社に投資したいか選んでください」

 授業のテーマは「金融の力で地球のピンチを救おう!」。SDGs(持続可能な開発目標)の視点から、架空のアパレル企業A社、B社の環境対策を評価し、自分ならどちらを投資先に選ぶかを生徒同士で議論した。自分の考えを発表した藤川莉里花さんは「会社をいろいろな観点で比べることが学べて、新鮮だった。普段の買い物にも生かしてみたい」。

 学校の岩城志門・法人事務局長(54)は「いまの世の中は答えがたくさんある。教師以外からも学べたらいい」と出前授業を依頼したねらいを話す。4月改訂の高校学習指導要領金融教育が拡充されたことも念頭に、金融とSDGsを絡めた授業を相談したという。

 成人年齢の18歳への引き下げもあり、お金をめぐる授業を求める声は生徒の側からも強い。8月に県議会で開かれた「みえ高校生県議会」では、桑名高校の生徒が「学校教育では投資があまり扱われていない。わからないまま投資をする人が増えてしまう」と訴えた。

 キャッシュレス決済やネット株取引が身近になるなか、授業を必要と感じるのは上の世代も同様だ。金融広報中央委員会(事務局・日本銀行)が18~79歳の3万人に聞いた7月公表の調査では、金融教育を受けたことのある人は、わずか7・1%。一方、「学校で金融教育を行うべきだ」とする人は7割を超えた。

 関心の高まりを背景に、昨年度は4件だった百五銀の出前授業は、今年度は半年あまりで、すでに6件に達した。年度後半にかけても引き合いがあるという。広報SDGs推進室の阿部伸哉室長(49)は「次世代の子どもたちのためにも、地域社会に役立つ金融教育が普及できたら」と話す。

 県教委では回数の集計はしていないものの、銀行や信用金庫から「『出前授業できます』との打診が相次いでいる」(高校教育課)という。木平芳定教育長は「高校生の金融教育の重要さは認識している。経済社会の状況を踏まえ、適切な機会を増やしていきたい」と、外部識者を招くことも含めて取り組みを強化したいとしている。(山本知弘)

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