原晋監督が青山学院大の駅伝監督に就任して19年目の今季、初めて男子部員がマネジャーとして入部した。
これまでの男子マネジャーは、選手で入部した後に転向した人ばかり。
最初からマネジャーを希望するのは異例のことだ。
徳澄遼仁(りょうと)(1年)。
熊本県出身。野球部だった中学1年の時、校内で選抜される駅伝チームに選ばれ、走るのが楽しくなった。
中2からは毎朝、長距離の練習もするようになった。
野球では控えだったが、陸上では県大会で入賞した。全国中学駅伝でも5位になった。
高校では全国高校駅伝を夢見て、強豪の九州学院に入った。
1年生の夏まで、同期の誰より練習をこなせていた。
このまま練習を積めば、都大路に出られるかもしれない――。
突然の病に見舞われたのは、そんなときだった。
先天性の病気
9月のある日の朝練習。
急に、脈が上がったり下がったりするのを感じた。
息が苦しくなり、その場に倒…