まだまだ勝手に関西遺産
「お父さん、うまく吹かれへん」。昨年、小学3年になった子どもが授業でリコーダーを習い始めた。課題曲の練習のため、大阪で小学校の教員をしていた母親(72)を頼った。テキストを見て、母は言った。
「やっぱり今も使ってるんやね。これは革命的な教材なんやで」
テキスト名は「笛星人(ふえせいじん)」。開くと「シ」だけを吹き続ける曲や、左手だけで吹ける簡単な曲ばかりが並んでいる。どこが革命的というのだろうか。
出版元のトヤマ出版を運営する、学校向けリコーダー大手のトヤマ楽器製造(本社・東京都板橋区)に問い合わせた。営業部長の後藤晶吉さん(54)によると、「笛星人」は大阪府で音楽教師をしていた人が作ったそうだ。
リコーダーの副教材は年間数千部売れればヒットの世界。その中で笛星人は毎年数万部、累計100万部を優に超える異例のベストセラーという。「この業界で革命を起こした一冊です」
記者は笛星人の真相を探るため、作者の北村さんに会いにいった。取材で見えてきた秘密とは・・・
またも革命。「あとは、作っ…
この続きは朝日新聞デジタル会員限定です。残り1402文字
1カ月間無料の「お試し体験」で記事の続きを読んでみませんか?
会員限定の有料記事が読める!
多彩なコメンテーターがニュースを深堀り
いま話題の最新ニュースもメールでお届け