「中国依存の高まり、リスク管理を」NATO事務総長 外相会合閉幕
北大西洋条約機構(NATO)は11月30日、ルーマニアの首都ブカレストで開いた外相会合で、軍事的な懸念が高まる中国への対応を協議した。ストルテンベルグ事務総長は閉幕後の記者会見で、ロシアのウクライナ侵攻をめぐるエネルギー危機を踏まえ、「中国をはじめとする権威主義的な政権」への依存軽減をめざす考えを示した。
NATOは6月、12年ぶりに改訂した「新戦略概念」で中国に初めて言及。その中で、中国を「体制上の挑戦」と位置づけ、軍事力や経済力を背景に威圧的に影響力を及ぼす手法に警戒を強めている。
この日の会合では、中国の野心的な軍事開発や技術的進歩、サイバー活動の拡大などを協議した。
ストルテンベルグ氏は「中国は敵国ではない」としたうえで、「中国との貿易や経済的な関わりは持ち続けるが、依存関係を認識し、リスク管理をしなければならない」と指摘した。
加盟国は重要インフラの保護や、軍事技術に不可欠なレアアースなど中国への依存度が高い分野について協力することで合意。日本などインド太平洋地域の国や欧州連合(EU)などとの関係を深めることでも一致したという。
NATOは29日、初日の外相会合で、ロシアによる電力インフラへのミサイル攻撃で停電が続くウクライナへの越冬支援の強化でも合意した。(ブリュッセル=玉川透)
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