サムライの勝利には、忍者の存在は欠かせない。サッカー日本代表の町野修斗選手(23)といえば、印を結ぶ「忍者ポーズ」だ。J1湘南ベルマーレをFWとして引っ張り、今季はゴールを決めた直後のポーズとして定着した。出身は、忍者の里として知られる三重県伊賀市。故郷にはポーズの「師匠」がいた。
仁王立ち。左手の人さし指と中指を上にして立て、右手の人さし指と中指を左の手のひらで包む。これが町野選手のポーズだ。
伊賀市に住む町野選手の父・理さん(61)によると、ポーズ誕生のきっかけは昨年暮れ。町野選手は帰省した際、伊賀上野城の近くにある伊賀流忍者博物館で手裏剣体験をしたという。
「やってみたら楽しくて、ふざけて忍者ポーズをした時に右手を上でポーズしてしまったんですけど、それを非常に怒られて『左手が上だ』と言われて。その時からその人は『師匠』になりました」
ワールドカップ(W杯)カタール大会に向け、日本代表に追加招集された直後の11月9日、町野選手自身も記者会見で、こんな経緯を披露し、会場を沸かせた。
「師匠って誰だ」
忍者の里にそんな話が瞬時に駆け巡った。
スペイン戦に向け、「弟子」に注文
博物館によると、手裏剣体験はスタッフらが交代で対応する。しかし、大勢の観光客らが訪れるため、スタッフは一人ひとりを覚えきれない。町野選手に対応したスタッフについて誰の記憶にもなかった。
町野選手は今季、J1で13得点を挙げるなどめざましい活躍を見せて知名度が急上昇した。だが当時はブレーク前夜だった。
追加招集の記者会見から数日…

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