第11回労働組合の役割とは 古賀伸明・元連合会長が古巣に望む「大論議」

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聞き手・江口悟、三浦惇平
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 日本で雇われて働く人のうち、労働組合に加入する割合は約17%まで低下しています。働き方が多様化する中でも従来の企業別組合が中心で、働く人の労働条件や権利を守る役割を果たせているのか、労働組合のあり方が根本から問われています。何が壁となっていて、どこをどう変えていくべきなのか。当事者として長く関わった元連合会長の古賀伸明氏に聞きました。

 ――企業別労働組合中心の日本の労働運動のあり方が問われるようになっています。

 「バブル崩壊と冷戦構造の終焉(しゅうえん)の後、グローバル化が一気に進んだ。経営者にすれば、日本でモノを作る必要も売る必要もなくなった。人が資産であり固定費だったのが、人件費そのものを変動費化した。外国で作った方が安ければ生産拠点も移す。このことで、経営者は日本の労働組合だけを視野に入れる必要がなくなった」

 「それ以前なら企業別組合中心でもよかったが、いまは社会全体を良くしないと、どうしようもない。すべての働く者の底上げをしないと、自分たちもどんどんボトムに向かう。我が組織だけ残れば、我が企業だけ残れば、我が産業だけ残れば、という姿勢が合成の誤謬(ごびゅう)を起こし、結局、社会的・経済的格差が広がり、非正規労働者を増やした。そのことには、主犯ではないけれども、労働組合とて何らかの責任があるのではないか。自戒も込めて言えば、そういうことだろう」

 ――労使関係の課題についてはどう見ていますか。

 「労使関係は労使二つの関係だけではない。働く場のルールをつくる意味では労と使の関係だけど、全体で見れば三つのアクターがある。その第3番目のアクターは地域や社会だ。企業も離れ小島では経営を完結できない。我々も一人だけでは暮らせず、社会の中で、地域の中で暮らしている」

 「もっとわかりやすく言えば…

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