インバウンド復活の兆し 外国人客を37倍にした仕掛け人の次の戦略
高松―ソウル線の定期便運航が2年8カ月ぶりに再開するなど、インバウンドが復活の兆しを見せ始めている。いま観光地の関係者は何を思うのか。コロナ禍前、訪日観光客の誘致に成功した大歩危・祖谷温泉郷(徳島県)の「仕掛け人」、植田佳宏さん(58)を訪ねると、新たな戦略を描いていた。
植田さんは航空会社での勤務経験もある「和の宿 ホテル祖谷温泉」の運営会社社長だ。日本3大秘境の祖谷や「かずら橋」などで知られる大歩危・祖谷温泉郷のホテル5軒でつくる「大歩危・祖谷いってみる会」会長でもある。会は四国に先駆けて訪日観光客誘致に取り組み、2007年に546人だった外国人延べ宿泊者数を、19年には約37倍の2万386人まで押し上げた
《植田さんは航空会社での勤務経験もある「和の宿 ホテル祖谷温泉」の運営会社社長だ。日本3大秘境の祖谷や「かずら橋」などで知られる大歩危・祖谷温泉郷のホテル5軒でつくる「大歩危・祖谷いってみる会」会長でもある。会は四国に先駆けて訪日観光客誘致に取り組み、2007年に546人だった外国人延べ宿泊者数を、19年には約37倍の2万386人まで押し上げた》
――国の水際対策の緩和を受ける形で、11月23日に高松空港の韓国便が再開し、来年1月19日には台湾便も復活します。
コロナ前、大歩危・祖谷を訪れる外国人観光客の多くは高松空港を利用していただけに、期待は大きいです。振り子の原理で、インバウンドは必ず戻ってきます。ただ、会員のホテルでもスタッフがかなり離職し、特に正社員が足りないため、受け入れ態勢づくりを急いでいます。航空会社でも地上要員や客室乗務員が減っていると聞きます。
――この2年余り、インバウ…