当時83歳の男性は、末期の大腸がんを患っていたが、希望は失っていなかった。新型コロナウイルスの感染の波が落ち着いたら、「ボウリングをしよう」と楽しみにしていた。
7月下旬、「第7波」のまっただ中。東京都品川区を拠点に往診に回る「ひなた在宅クリニック山王」の田代和馬医師(33)は、東京都内の男性の自宅に駆けつけた。
新型コロナにかかった男性は呼吸が荒く、意識がもうろうとし始めていた。酸素不足から、足の先は紫色に変色していた。
国内のコロナ死者が5万人に達しました。この間、100人以上の死を目の当たりにしてきた田代医師は「救えたはずの命も失われた」と、繰り返された医療のひっぱくに憤りを隠しません。
田代医師は「コロナは治る病…

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