米利上げペース、12月会合で緩和か FRB議長発言で円は急騰
榊原謙=ワシントン 小出大貴
米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は11月30日、利上げペースを緩める時期について「早ければ12月会合で訪れるかもしれない」と述べた。今春以降、物価高(インフレ)抑制をめざすFRBの政策は「大幅利上げ一辺倒」だったが、利上げがもたらす経済への影響に配慮する段階に移行し始めたようだ。
パウエル氏はワシントンでこの日あったイベントに出席し、「インフレ抑制に十分な(政策金利の)水準に近づくにつれ、利上げペースを緩やかにすることは理にかなっている」「過剰な引き締めはしたくない」と語った。
今回の発言は、12月13~14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の次回会合で、利上げを0・50%幅に縮めると示唆したもの。FRBはこれまで4会合連続で0・75%幅の利上げを続けており、利上げ幅が縮小されれば、今年3月に始まった今回の利上げ局面では初めてとなる。
利上げには景気を冷やす効果…

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