賃上げ目標引き上げ、産別労組で広がる 連合会長は街頭演説で訴え
三浦惇平
来年の春闘に向け、労働組合の産業別組織が相次いで賃上げ目標の引き上げに動いている。物価高が生活を圧迫するなか、中央組織の連合が「5%程度」という高い目標を掲げたことを受けた動きだ。連合は賃上げの機運を高めようと、芳野友子会長が街頭で演説するなど、異例のアピールを始めた。
「賃金も物価も日本経済も安定的に上昇する姿へとステージを変えていく。(賃上げを)実現できるか否かは私たちにかかっている」。連合が1日に開いた中央委員会で、芳野氏はそう力を込めた。この日は、2%の定期昇給を前提に、賃金体系を底上げするベースアップ(ベア)の目標を過去7年より1%幅引き上げて3%程度とする来年の春闘方針を正式に決めた。
こうした方針を受け、自動車や電機などの産業別組織でつくる金属労協は、統一要求するベアを前年の2倍の「月額6千円以上」とする方向で調整している。
中小製造業などの産業別組織…