赤ヘル背番号0が10年目に開花 大幅昇給「十分です」、使い道は?

広島東洋カープ

辻健治
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 プロ野球・広島東洋カープの上本崇司内野手(32)が1日、広島市内で契約更改交渉に臨み、1400万円から倍増を超す年俸2900万円(金額は推定)でサインした。

 契約更改後の会見で、上本は「十分です。十分です。十分です。十分です」と繰り返し口にした。

 10年目の今季は初めて開幕スタメンを勝ち取るなど、シーズン前半は攻守でチームを引っ張った。

 94試合出場と80安打はいずれも自己最多。規定打席には達しなかったものの打率3割7厘、プロ初本塁打を含む2本塁打を放った。

 「全力でやるしかないんで、疲れました」。背番号0は飛躍のシーズンを振り返った。

 昨季までは「守備固め」だった。

 170センチ、73キロの体格はプロでは小柄だが、チームで指折りの守備力が持ち味。本職の内野はもちろん、外野でも俊足を生かして好プレーを見せてきた。

 また、明るいキャラクターでムードメーカーとしてもチームに貢献してきた。

 「やっちゃろうや!」。

 3月29日、本拠・マツダスタジアム阪神タイガースにサヨナラ勝ち。ヒーローインタビューの最後に上本が叫んだこの言葉は、好調な滑り出しをした広島の象徴となった。

 出場機会が大幅に増えたことで、体には今まで経験したことがない負担がかかった。夏場に入ると、けがやコロナ感染で離脱を余儀なくされた。

 「睡眠時間や食事、トレーニングとか体のケアとか、今まで以上に意識していた。それでもケガしちゃったんで、本当にいい経験といい勉強させてもらった。また来年につながるし、もうちょっと工夫してやってみようかなと思う」

 広島は4年連続のBクラス(4位以下)に終わった。それでも上本の働きぶりは、チームにとって大きなプラス材料だった。

 球団の査定担当者は「この9年間を一掃するような成績だった」と評価。来季に向けては「もちろんレギュラーで出てもらいたい。今年の成績を見たら期待せざるを得ない」と話した。

 10月に新井貴浩・新監督が就任し、チームは大きく変化している最中だ。

 今季は主に三塁で全試合出場した5番打者の坂倉将吾が、来季は本職の捕手に専念する。三塁のポジションが空き、上本らがレギュラー争いを繰り広げる。

 「僕あんまり『ポジション取ります』みたいなこと言うのが好きじゃないんで。そういうこと言う前に、体を動かします」と上本。来季はその真価を問われる一年となるだろう。

 大幅アップした年俸の使い道を問われると、「貯金しますよ。大けがしてやめるかもしれないし、いつクビになるかわからないんで」。

 グラウンドでチームメートを鼓舞する様子とは対照的に素っ気なかった。

 ただ、かみ締めるように言った一言が印象的だった。

 「やるべきことをやっておけば、また今年みたいにいいことがあるかもしれない」(辻健治)

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