「うおおお」「よくやった!」――。サッカー・ワールドカップ(W杯)日本―スペイン戦の2日早朝、日本代表が勝利を決めた瞬間、主将のDF吉田麻也選手(34)ゆかりの飲食店「レッケル」(長崎市)では、集まった地元のサポーターらから、店内を揺るがすような歓声があがった。
みな一斉に立ち上がって跳びはね、互いにハイタッチをして喜びを分かち合った。
「麻也の最後のクリアがよう利いとったね。よくやった。(1次リーグE組で)1位通過は、すごかこと」。店主で吉田選手の後援会事務局長の松島伸一さん(56)は、こう声を弾ませた。「麻也も森保監督も、長崎の『宝』です」
レッケルの店名は、オランダ語で「いいね」や「おいしい」を意味する。オランダ1部のVVVフェンロでも活躍した吉田選手の命名だ。
後援会長の横田祐治さん(65)は、自身が運営していたサッカーチーム「南陵クラブ」で、小学校時代の吉田選手を指導した。吉田選手がJ1の名古屋グランパスに入った際に後援会を立ち上げ、応援を続けてきた。
同市内のパブリックビューイングでこの日の試合を見守った横田さんも「最高だ。麻也も森保監督も頑張ってくれた」と感極まった様子で話した。
コスタリカ戦に敗れても「凸凹なチームをまとめてきた麻也は、何があっても動じない。あいつなら状況を変えられる」。横田さんと松島さんは2人でこう話し、スペイン戦での勝利を信じてきた。
実際、初戦でドイツに勝って…