日本の逆転劇、スペインのバーで怒号も…最後は「グッドサプライズ」

マドリード=宋光祐
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 サッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会の1次リーグ最終戦を迎えた1日、マドリードでは日本と対戦したスペインチームを応援しようと、スポーツバーに大勢のファンが集まった。強豪国スペインにとっては予想外の敗戦。日本の得点時には怒号を飛ばす人もいた。しかし、試合が終わると熱戦をたたえるように拍手が起きた。

 マドリード中心部にあるアイリッシュパブ「オコネル」では午後8時から、日本対スペインとドイツ対コスタリカの試合を二つのスクリーンで同時放映した。ドイツ人のサポーターの姿もあり、100人を超えるファンがビールやワインを手に試合に釘付けになった。

 前半が終わったところで、スペイン代表のユニホームを着て観戦していたヒメナ・ボニーヤさん(33)に声をかけてみた。音楽会社に勤めており、友人らと一緒に来ていた。この時点ではスペインが1点リードしていたが、「日本はすごくよく守っている」と話した。

 弟が日本好きで、W杯では日本も応援しているのだという。「日本にも得点チャンスはあると思う」。そんな話をしているうちに背後で悲鳴のような叫び声が聞こえた。後半3分、堂安律選手の同点ゴール。「ほら言った通りだったでしょ」。周りは落胆ムードだったが、ボニーヤさんは笑顔を見せた。

 その3分後、今度は田中碧選手の逆転弾。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)で判定を確認することになると、スペインを応援している人たちはノーゴールを信じてガッツポーズを見せた。結局ゴールが認められると、判定に不服を訴えるように店のあちこちで怒号が起きた。

 カウンターで友人とビールを飲んでいた市役所職員のラウル・ロドリゲス・モルヒヨさん(35)は「判定よりもスペインのプレーが問題」と不満を漏らした。「パスをつないでいるが、動きが遅い。統制のよく取れた日本に簡単に止められている」と分析した。

 その隣に立って試合を観戦していたトラック運転手のジュリアン・テベネさん(42)は「日本はいつも全力で戦うチーム」と話した。仏中部リヨンから妻と2人で旅行中だったが、スペインの試合が見たくてスポーツバーに来たという。今回のW杯は今のところ全試合観戦しているそうで、日本が逆転した試合展開について「W杯はどの国も勝ちたいと強く思っているから何が起きるか分からない」と漏らした。

 試合終了のホイッスルが鳴ると、店内の緊張が解けて、あちこちから拍手がわき起こった。友人と一緒にテーブルを囲んでいたフェルナンド・アマヤさん(29)も立ち上がって拍手をした一人だった。「日本はコスタリカに負けても情熱を失っていなかった」。そう言って、日本の勝利を祝福した。「正直、日本が勝つとは思っていなかったけど、いい試合が見られて、『グッドサプライズ』になった。おめでとう」(マドリード=宋光祐)

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