吉田鋼太郎 「ジョン王」 蜷川幸雄の志継ぎシェークスピア完演
増田愛子
彩の国さいたま芸術劇場が1998年に始めた、シェークスピア全37戯曲上演のシリーズが、完結する。「色々な俳優さんが集まってくれて、シェークスピアを楽しんで上演できる。そのことがありがたい」。そう話す、シリーズの2代目芸術監督、吉田鋼太郎。掉尾(ちょうび)を飾る「ジョン王」(松岡和子翻訳)で、演出と出演の二役を兼ねる。
僕の血濃いめ
完演まで5作品を残し、初代芸術監督の蜷川幸雄が世を去ったのは2016年。シリーズ10作品以上に出演し、主演経験もある吉田に白羽の矢が立った。
「受け継いだばかりの頃は、評判が悪くて潰れちゃったらどうしよう、という緊張が、多少ありました。最近、『義務感』よりも、自分たちも楽しませてもらおうと、ようやく思い始めることができました」。最終回は「ちょっと僕の血が濃いです」と笑う。
演出プラン変えたウクライナ侵攻
「ジョン王」は、シェークス…