妻への引き渡しを嫌がる息子…でも「夫は1日2万円払え」 最高裁

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根岸拓朗
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 幼い子を連れて別居した夫に、家裁が妻への引き渡しを命じたが、子が嫌がって引き渡せない――。そんな状況で、引き渡すまでの間、夫に金銭を払わせる「間接強制」が認められるかが争われた家事審判で、最高裁第三小法廷(長嶺安政裁判長)は「認められる」との決定を出した。11月30日付。今回の事例では、子の拒絶は「直ちに間接強制を妨げる理由にはならない」と判断した。

 2020年施行の改正民事執行法で、それまで明文化されていなかった子の強制的な引き渡しに関する規定が明記され、間接強制のあり方も定められた。法改正後、最高裁が間接強制について判断するのは初めてで、子が拒否しても認められる事例を示した形だ。

2時間の説得に応じず

 関西地方に住む夫は2020年、長男(9)と次男(7)を連れて別居。妻が家裁に申し立て、2人の引き渡しを夫に命じる審判が確定した。21年4月初め、妻が夫の家を訪れて次男は引き渡されたが、長男は両親が約2時間説得しても応じなかった。約2カ月後の妻との面会でも長男は反発し、妻のことを「全部嫌だ」などと言って夫の家に帰りたがった。このため、妻は夫を相手取り、間接強制を申し立てた。

 間接強制は、判決などで決まったことを守らない人に、金銭の支払いを科して守るよう促す仕組み。一審の家裁は、引き渡すまで1日2万円の間接強制を認めた。一方、二審の高裁は「明確に拒絶している長男の心身に有害な影響を及ぼさずに引き渡すのは困難。間接強制は権利の乱用だ」と判断し、取り消した。

最高裁は「乱用とはいえない」

 だが第三小法廷は「長男の拒絶は約2カ月の間に2回にとどまり、間接強制の申し立てが権利の乱用とはいえない」と指摘。高裁の決定を破棄して一審を支持し、間接強制が確定した。

 宇賀克也裁判官は補足意見で…

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